ブラックジャックのイーブンマネーとは? 損しない判断基準と戦略

ブラックジャックのイーブンマネーのフィーチャー画像

ブラックジャックのイーブンマネーは、プレイヤーがナチュラルブラックジャック (最初に配られた2枚のカードの合計値が21になっていること) を持っており、かつディーラーのアップカードがAだった場合に利用できるアクションの1つです。

ナチュラルブラックジャックを持っていればほとんどの場合勝利が確定し、さらに配当も通常より大きくなります。しかし、イーブンマネーを選択すると、「勝っているはずの手でなぜか配当が少なくなる」という現象が起きるため、少し複雑な選択肢です。初心者の方にとって判断が難しいかもしれませんが、仕組みを理解すれば損失を防ぐ手段にもなります。

本記事では、イーブンマネーの基本ルールやインシュランスとの違い、避けるべき理由や例外的に有効なケースまで丁寧に解説。ブラックジャックのルールをより深く理解し、戦略の幅を広げたい方は、ぜひご一読ください。

ブラックジャックのイーブンマネーとは?

ブラックジャックにおけるイーブンマネーは、正しく理解して使わなければ損するアクションと言えます。

特に初心者の方は、「ナチュラルブラックジャックで勝っているのに配当が少ない?」と混乱してしまうこともあるため、まずはイーブンマネーの基本的な仕組みや使えるタイミングをしっかり把握しておきましょう。

基本ルールと使えるタイミング

ブラックジャックのイーブンマネー基本ルール

イーブンマネーとは、プレイヤーのハンドがブラックジャック (A+10点カード) になっており、かつディーラーのアップカードが「A」である時だけに選択できる特別なアクションです。

イーブンマネーを選択すると、プレイヤーは即時勝利を確定できる反面、通常のブラックジャックの配当である3:2 (2.5倍)ではなく、1:1 (2倍)の配当を受け取ることになります 。

つまり、本来は10ドル賭けてブラックジャックで勝てば25ドルの配当が得られる場面で、あえてイーブンマネーを選ぶと、20ドルの配当を確実に受け取るという行動になります。

なぜこのような選択肢があるのでしょうか。具体例でイメージしてみましょう。

  • プレイヤー の手札: AとK→ブラックジャック
  • ディーラーのアップカード: A (エース)

この時、ディーラーのもう1枚のカードが10点であれば、ディーラーもブラックジャック成立となりますよね。その場合、ゲームの結果は引き分け (プッシュ)となり、配当なし。賭け金が返却されるだけで、利益を生み出すことはできません。しかし、イーブンマネーを選べば、たとえディーラーがブラックジャックだったとしても、確実に賭け金の2倍 (2 0ドル)を受け取れるのです。

つまり、イーブンマネーはリスクを回避して確実に勝ちたい場合の選択肢となります。しかし、勝っても2.5倍の配当が得られないため、「保険」のような位置づけとして認識されているアクションです。

イーブンマネーとインシュランスの違い

イーブンマネーは、「ブラックジャックをもつプレイヤー限定のインシュランス」と考えると、その仕組みがよくわかります。

インシュランスとは、ディーラーのアップカードが「A」のときに、「ディーラーのブラックジャック成立」に対して保険をかける追加ベットです。プレイヤーがどんな手札でも選択可能で、元の賭け金の半額を賭けることで、もしディーラーがブラックジャックだった場合に、その半額分に対して3倍の配当が得られます。つまり、ディーラーがブラックジャックで通常なら負けてしまう場面でも、損得0に持ち込めることができるわけです。

しかし、インシュランスはあくまでも「賭け」であり、ディーラーがブラックジャックでなかった場合は、追加ベットがそのまま没収されてしまいます。

一方、イーブンマネーはプレイヤーがすでにブラックジャックを持っている状態で選ぶものであり、「引き分けリスクを避けて2倍の配当を確実に得る」という点が異なります。

まとめると、

  • イーブンマネー: プレイヤーがブラックジャックを持つ場合の保険的な役割。ディーラーがブラックジャックでもプッシュにならず、確実に2倍配当が受け取れる。
  • インシュランス: プレイヤーがどんな手札でもディーラーAのときに利用可能。ディーラーがブラックジャックだった場合に、負ける代わりに損得0に持ち込める。
  • どちらもディーラーがブラックジャックでないと損をする構造

インシュランス同様、期待値の観点から見れば不利な選択肢であることが多いため、よほどの理由がない限り選ばない方が長期的に得だと言えるでしょう。

また、勝率を上げるためには、イーブンマネーはブラックジャックのベーシックストラテジーなどとあわせて活用することが重要です。

イーブンマネーの戦略と使い方

イーブンマネーを選択すると、ディーラーのアップカードが「A」であるときに、自分がブラックジャックを持っていれば、即2倍の配当を得られるため、勝ちを確定させたい気持ちになるのも自然です。

しかし、長期的な視点で見ると、イーブンマネーは常に得策とは限りません。ブラックジャックは確率と統計に基づいた戦略ゲームであり、感覚だけに頼って選択を続けると、じわじわと損を積み重ねてしまうでしょう。

ここでは、イーブンマネーのデメリットと、それでも活用すべき場面があるという現実について整理していきましょう。

基本的にイーブンマネーは避けるべき理由

イーブンマネーは、理論上「互いにブラックジャックだった場合の引き分け (プッシュ) を避ける手段」として成り立っていますが、プレイヤーにとってのブラックジャックの期待値や利益という面では、避けるべき選択肢として捉えられがちです。

その理由を詳しく見ていきましょう。

的中率が低い

イーブンマネーは実質的に「インシュランス」と同様の構造だと解説しました。つまり、ディーラーがブラックジャックを持っているかどうかに対して賭ける形式であり、的中率はおおよそ30〜33%程度。

約3回に2回はイーブンマネーが不要だったという結果になるわけで、的中する確率が低いのです。

期待値が低く、長期的に損をする

ブラックジャックで通常の配当 (3:2=2.5倍)を得られるはずの場面で、わざわざ1:1 (2倍)で勝ちを確定させるのは、統計的に見ると期待値を下げる行為です。ディーラーがブラックジャックでない可能性のほうが高いため、通常の勝利を待つ方が高配当を得られるケースが大半なのです。

ハウスエッジ (カジノの利益) が高い

イーブンマネーを頻繁に選択するプレイヤーほど、カジノにとってはありがたい存在です。なぜなら、本来よりも少ない配当で勝ちを確定させるため、長期的に見ればその差分がカジノの利益になるからです。

そのため、ハウスエッジ (カジノ側の優位性) は確実に上昇します。

リスクとリターンのバランスが崩れる

インシュランスと同様に、イーブンマネーも「別途のアクション」を要します。ブラックジャック自体が成立しているのに、勝利に対してもうひとつの選択肢を重ねる行動は、リスクとリターンのバランスを崩す結果になってしまうでしょう。

イーブンマネーを活用すべきケース

では、「イーブンマネーは絶対に選んではいけないのか?」というと、必ずしもそうとは言えません。プレイヤーの目的や状況に応じて、イーブンマネーが有効になるシーンも存在します。

例えば、連敗が続いていて「どうしても確実に資金を回収したい」と考えているときなど、精神的な安定を優先したい局面では、イーブンマネーが有効に働くこともあります。プレイヤーにとって「プッシュによる心理的ショック」を避けるという意味では、安定感ある選択と言えるでしょう。

長期プレイではなく、「このセッションだけで利益を出したい」「一時的な資金回収を優先したい」といった戦略の場合も、イーブンマネーによる即時回収は有効な選択肢になり得ます。

イーブンマネーの結果パターンを解説

イーブンマネーを選んだ場合と選ばなかった場合の結果を、3つのパターンに分けて解説します。損得勘定を把握し、状況に応じて最適な判断ができるよう、各パターンの特徴を確認しておきましょう。

イーブンマネー成功 (引き分け回避)

ブラックジャックのイーブンマネー成功

このパターンは、ディーラーがブラックジャックだった場合にイーブンマネーを選択していたケースです。

本来であれば、プレイヤーとディーラーの両方がブラックジャックとなった場合、ゲームは「プッシュ (引き分け)」となり、ベット額はそのまま返却され利益は出ません。しかし、イーブンマネーを宣言していれば、確実に2倍の配当を手に入れられます。

つまり、「勝ちを確定させる」という意味でイーブンマネーを選択したパターンです。ただし、ブラックジャックによる本来の配当 (3:2=2.5倍) よりも低くなるため、最大の利益は得られないということも頭に入れておきましょう。

イーブンマネー失敗 (本戦勝ちで損失)

イーブンマネー失敗

次に紹介するのが、ディーラーがブラックジャックではなかった場合にイーブンマネーを選んでしまったケースです。

この場合、本来のブラックジャック配当 (2.5倍) が受け取れる状況だったにもかかわらず、イーブンマネーを選んだことで得られる配当が2倍に減ってしまいます。

このパターンは、確率的に最もよく起こるケースであり、プレイヤーの利益を大きく削ってしまう原因に。ディーラーがブラックジャックを持っている確率は約30%程度しかなく、残りの約70%はプレイヤーの勝利となるため、長期的に損失が積み重なっていく選択と言えるでしょう。

イーブンマネー未選択 (ディーラーがブラックジャック)

このパターンは、イーブンマネーを選択せず通常勝負を決行したものの、ディーラーがブラックジャックとなり、結果がプッシュとなってしまったものです。

せっかくブラックジャックを作り出すことができたのに、利益を生み出すことができず、残念な結果となってしまいました。

しかし、プッシュでは賭け金が返却されるため、利益はないものの損失もありません。「イーブンマネーを選択していれば…」と後悔することもあるかもしれませんが、長期的に見れば損をしているわけではないので、割り切って次のラウンドに進みましょう。

重要なのはあらかじめ「ディーラーがブラックジャックを持っている確率がどの程度か」を冷静に分析し、安易にイーブンマネーを使わないこと。イーブンマネーの選択が自分の戦略に合っているかどうかをしっかり考えて使うようにしましょう。

ブラックジャックのイーブンマネーは慎重に活用しよう!

ブラックジャックにおけるイーブンマネーの仕組みと、選ぶべきかどうかの判断基準についてお分かりいただけたかと思います。

イーブンマネーは、確率や期待値の面で不利になる場面が多く、長期的に見ると利益を減らす選択になりかねません。とはいえ、すべてのケースで避けるべきというわけでもなく、短期的な安定を求める場面では使いどころもあります。

初心者の方は、まず以下のポイントを意識してみてください。

  • イーブンマネーは基本的に避けたほうが得
  • ディーラーがブラックジャックでない確率のほうが高い
  • 通常のブラックジャック配当 (2.5倍) を捨てることになる
  • 「確実な勝利」が欲しいときだけ例外的に活用
  • インシュランスと同様、期待値は100%を下回る

イーブンマネーの意味や効果を理解し、「いつ選ぶべきか」「いつ避けるべきか」を冷静に見極めることが、安定したプレイの第一歩です。ルールを正しく理解したうえで、無駄な損失を減らし、より楽しめるベラジョンでのプレイを目指していきましょう。